非インスリンEarly stage糖尿病患者へのSMBG導入プロジェクトを始動!

東京衛生病院教会通りクリニックと門前薬局との協力によって、Early stageの糖尿病患者(食事療法のみまたは経口薬治療の患者)を対象に、早期に自己血糖測定(SMBG)を導入し、HbA1c<6%をめざす試みを企画した。今回の企画は、自発的に門前薬局で血糖測定器を購入してくださる患者さんのみを対象にしている点が特徴である。今回は非インスリンEarly stgaeの糖尿病患者に対するPreliminaryな試みである。つまり、まずは少人数の患者を対象に、7ポイント3日間血糖応答から、いかに多くの情報を読み取り、それを服薬指導、栄養指導などに活かしていくか?それぞれの職種の役割分担は?初診時のオリエンテーション→患者の食事記録、360°view記載→医師の360°viewの解析、薬剤最適化→栄養士による基礎カーボカウントを中心とした栄養指導、薬剤師による服薬指導といった一連の流れを「チームとして体験すること」、つまり、実践のノウハウを掴むためのpreliminaryな実践と位置づけている。最終目標は「血糖パターン管理により、自立した自己管理ができる患者の育成方法の確立」「360°view sytemによる薬剤最適化プログラムによって、より良質な血糖管理を実現すること」である。 Continue reading

日本の食事療法を二者択一から三者択一の時代へ

2013年5月熊本で開催された日本糖尿病学会において、エネルギー制限食無効例に対して、糖質制限食(1食20〜40g、1日70〜130gの糖質制限)を行ったところ改善したという発表をm3.comがネット上に公開したところ、大きな話題になったと報じられていた。しかし、私はこのような記事を読むとなぜか気が重くなってしまう。なぜ一方がダメなら真反対に舵を切るのだろうか? 賛成、反対の二元論的な議論をする前に、もっと合理的な解決方法がないのかを議論して欲しいと思わずにはいられない。 食事は糖尿病患者にとって、もっとも大切なものである。 そのことを考慮した現実的な議論がなぜ生まれないのか? このように考えたとき、いつも私は以下のような結論に辿り着く。 「この国では食事と薬物療法を統合して議論する土俵がない」ということだ。食事のことを議論するときは「食事」だけ、薬物療法を議論するときは「薬」だけを議論し、それらが統合されることは決してない。「エネルギー制限食 vs 糖質制限食」という二元論的な議論は食事と薬物療法が表裏一体の関係にあることを忘れているように思われる。 Continue reading